Android端末では、v2rayNGを接続すると端末全体の通信がVPN経由になります。しかし、動画やブラウザーだけをプロキシへ通し、銀行アプリ、ゲーム、社内アプリなどは通常の回線へ残したい場合は、アプリ別プロキシ設定が便利です。v2rayNGではVPNインターフェースを利用して通信を取り込んだあと、指定したアプリを許可リストまたは除外リストで振り分けます。単にノードへ接続するだけではアプリ別通信にならないため、モード、対象アプリ、Android側のVPN状態を順番に確認する必要があります。
この記事では、2026年時点のv2rayNG 1.10.xとAndroid 14・15を想定し、必要なアプリだけをプロキシ経由にする手順を説明します。画面名はビルドや日本語・英語表示によって少し異なるため、「VPN設定」「アプリ別VPN」「アプリのVPNモード」「Apps VPN mode」に相当する項目を探してください。設定後の確認方法、バッテリー最適化や他のVPNアプリが原因で動かない場合の見直し方も扱います。
v2rayNGで特定アプリだけをプロキシ接続するために、VPN設定からアプリ別モードを選び、対象アプリを登録し、接続ログと外部IPで結果を確認します。選択したアプリだけを通すホワイトリスト方式と、端末全体を通したうえで一部を除外するブラックリスト方式の違いも具体例で整理します。
アプリ別プロキシの仕組みとモードの違い
v2rayNGのアプリ別プロキシは、AndroidのVPNサービスを入口として利用します。アプリが発生させたTCPまたはUDP通信をVPNインターフェースが受け取り、v2rayNGのコアがノード、ルーティング、DNSの設定に従って送信します。Androidの「VPNに接続済み」という表示は、VPN入口が作成されたことを示すもので、すべてのアプリがノード経由になったことや、指定が正しく反映されたことまで保証するものではありません。
アプリ別VPNには、一般的に次の2種類があります。名称はバージョンによって異なりますが、動作の考え方は同じです。
- 許可リスト方式:リストに追加したアプリだけがv2rayNGを利用します。ブラウザーや特定の動画アプリだけを対象にしたい場合に向いています。
- 除外リスト方式:端末の通信を基本的にv2rayNGへ通し、リストに追加したアプリだけをVPNの対象外にします。対象外にしたいアプリが少ない場合に便利です。
- 全アプリ方式:アプリ別の制限を行わず、Android上の多くのアプリをVPNへ入れます。動作確認の基準として使えますが、今回の目的には通常向きません。
設定前に確認する端末とノードの条件
アプリ別設定を始める前に、v2rayNG単体でノードへ接続できることを確認します。メイン画面で利用するプロファイルを選択し、接続ボタンを押して、通知領域にVPN接続が表示されるまで待ちます。ブラウザーなど普段使うアプリでページを開き、ノードの出口へ通信できる状態を先に作ってください。ここで接続できない場合、アプリ別設定を変更しても、原因がノードのアドレス、UUID、VLESSやVMessの設定、TLS、DNSにあるのか判別しにくくなります。
- v2rayNGがAndroidのVPN権限を取得していること。
- 同時に別のVPNアプリや広告ブロック用VPNを起動していないこと。
- 対象アプリがAndroidの「VPN接続を許可しない」特殊な構成でないこと。
- 省電力設定がv2rayNGをバックグラウンドで停止しないこと。
- IPv4だけでなくIPv6やUDPを使うアプリでは、ノードとコアがその通信に対応していること。
アプリの一覧に表示される名前と、実際のパッケージは異なることがあります。同じ名称の無料版・有料版、仕事用プロファイル、複製アプリがある場合は、アプリのアイコンとインストール先を確認してください。対象を間違えると、見た目は同じアプリなのに通信経路だけが変わらないことがあります。仕事用プロファイルのアプリは、個人プロファイルの同名アプリとは別項目として表示される場合があります。
用途に応じたアプリ別VPNの選び方
必要なアプリだけ
- 許可リスト方式
- ブラウザーだけ登録
- 未登録アプリは通常回線
一部だけ除外
- 除外リスト方式
- 銀行や社内アプリを登録
- その他はVPN経由
迷った場合は、まず許可リスト方式で1つの検証用アプリだけを登録し、通信経路が想定どおりになることを確認します。
v2rayNGで指定アプリだけをプロキシにする手順
ここでは、ブラウザーだけをv2rayNGへ通し、ほかのアプリは通常回線に残す例で説明します。対象アプリを増やす場合も、同じ画面でチェックを追加すれば構いません。設定変更後にVPNを再接続することで、古いルールやアプリ一覧の状態を確実に更新できます。
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ノードを接続する
v2rayNGを開き、メイン画面で確認済みのプロファイルを選択します。接続ボタンを押し、AndroidのVPN接続要求が表示されたら許可します。ステータスが接続済みになり、通知領域にVPNキーの表示が出るまで待ちます。
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VPN設定を開く
左上のメニューから「設定」または「Settings」を開き、「VPN設定」「VPN Settings」に進みます。画面内に「アプリ別VPN」「Apps VPN mode」「アプリのVPNモード」などの項目があるので確認します。
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許可方式を選ぶ
アプリ別モードを有効にし、「選択したアプリのみ」「Allowed apps」「ホワイトリスト」に相当する方式を選びます。すべてのアプリをVPNへ入れて一部を外す場合は、ここで除外方式を選択します。
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対象アプリを選択する
アプリ一覧を開き、プロキシへ通したいブラウザーや動画アプリにチェックを付けます。複製アプリや仕事用プロファイルを含め、実際に使うアプリの項目を選んでください。選択後に戻るボタンで設定を保存します。
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VPNを再接続する
v2rayNGをいったん切断し、約5秒待ってから再接続します。接続後30秒ほど待ち、対象アプリだけを起動します。接続中にアプリを開いたままだと既存の名前解決やセッションが残るため、検証前に対象アプリをタスク一覧から終了すると結果を確認しやすくなります。
除外リスト方式を使う場合は、同じ「アプリ別VPN」画面で「選択したアプリをVPNから除外」「Disallowed apps」「ブラックリスト」に相当する項目を選びます。通常回線へ残したいアプリだけをチェックしてください。この方式では、新しくインストールしたアプリが自動的にVPN対象になることがあるため、通信を細かく管理したい場合は許可リスト方式のほうが安全です。
許可リストの例
- モード
- 選択アプリのみ
- 登録するアプリ
- ブラウザー、動画アプリ
- 未登録アプリ
- 通常回線
- 用途
- 通信範囲を限定
対象を少数に絞れるため、どのアプリがプロキシを使うか把握しやすい方式です。
除外リストの例
- モード
- 選択アプリを除外
- 登録するアプリ
- 銀行、社内アプリ
- 未登録アプリ
- VPN経由
- 用途
- 例外だけ指定
対象外のアプリを明確に決められる場合に便利ですが、新規アプリの扱いを定期的に確認します。
対象アプリだけがプロキシ経由か確認する
設定後は、VPNキーが表示されていることだけで判断しないでください。まず許可リストに登録したブラウザーで外部IP確認ページを開き、接続前と異なる出口アドレスが表示されるか確認します。次に、許可リストへ登録していない別のブラウザーや一般的なアプリを開きます。対象外アプリでは通常回線の出口アドレスが表示される、またはv2rayNGの接続ログにそのアプリの通信が現れないことが確認の目安です。
- 対象アプリが接続できる:v2rayNGの接続ログにリクエストが記録され、外部IPがノード側に変化しているか確認します。
- 対象外アプリも接続できる:アプリ別モードが全アプリ方式になっていないか、除外方式を誤って選んでいないか見直します。
- 対象アプリだけ接続できない:対象アプリのチェック、ノードのUDP対応、DNS、ルーティング設定を順に確認します。
- 一度だけ結果が違う:アプリのキャッシュ、既存のTLS接続、ブラウザーのセキュアDNSを閉じて再試行します。
DNSの確認も重要です。対象アプリが独自のDNS機能や暗号化DNSを使用すると、IP通信はプロキシ経由でも名前解決が別経路になる場合があります。v2rayNG側のDNS設定を変更する場合は、まず対象アプリを1つに限定し、ルーティングとDNSを同時に大きく変更しないでください。変更前後のログを保存すると、アプリの問題と名前解決の問題を分けて判断できます。
うまく動かないときの見直し方
アプリ別プロキシが機能しないときは、まずモードとチェック状態を確認し、その後にAndroidのVPN権限、ほかのVPN、バッテリー設定の順で調査します。設定を何度も切り替える前に、対象アプリを1つ、ノードを1つに絞ると原因を追いやすくなります。
チェックしたアプリがVPNを使わないのはなぜ?
許可リスト方式が選ばれているかを確認し、対象アプリを終了してからv2rayNGを再接続します。アプリの複製版や仕事用プロファイルを選んでいないかも確認してください。
登録していないアプリまでプロキシになるのはなぜ?
全アプリ方式、または除外リスト方式になっている可能性があります。「選択したアプリのみ」に切り替え、登録アプリを1つだけにして再接続します。
接続すると一部のアプリがオフラインになるのはなぜ?
そのアプリがUDP、IPv6、独自DNS、特定の地域経路を必要としている可能性があります。まずブラウザーでノードを確認し、次にv2rayNGのログとDNS設定を調べます。
画面を閉じるとアプリ別設定が解除されるのはなぜ?
Androidのバッテリー最適化でv2rayNGが停止している可能性があります。Androidの「設定」→「アプリ」→「v2rayNG」→「バッテリー」でバックグラウンド動作を制限しない設定を確認してください。
Androidでは同時に有効にできるVPNサービスに制限があります。別のVPN、ファイアウォール、通信監視ツールを起動している場合、v2rayNGが接続できない、または接続表示だけ残って通信が流れないことがあります。不要なVPNを停止し、v2rayNGを切断してから端末のVPN設定に残った接続を確認してください。
設定を元に戻すときは、v2rayNGを切断し、「VPN設定」からアプリ別モードをオフ、または全アプリ方式へ戻します。その後に再接続し、対象外だったアプリも通信できるか確認します。不要になったVPNプロファイルがAndroidの設定画面に残っている場合は、v2rayNGの接続を先に停止してから削除してください。アプリ別プロキシは、対象を少なく始めてログと外部IPで検証し、必要な範囲だけを段階的に広げるのが最も安全です。